従業員持ち株会はあり?

あと、サラリーマンが使える手として、「従業員持ち株会」というものがあります。私の場合は持ち株会に入り、行ってきました。

私が入社1年目の新人のとき、まだ、投資の「と」の字も知らないとき、直属上司だった主任がこう言われました。

「従業員持ち株会は入っておいたほうがよいよ。自分が頑張って会社の業績がよくなれば、株価も上がり、その分、持ち株の資産価値が上がるからね。仕事の励みになるよ」と。

株式投資の右も左もわかっていない自分は、まったくその通りだと思い、早速手続きをしました。自分が勤めていた会社は大手企業の子会社だったため、持ち株会といっても、親会社の上場株式を毎月の給料から天引きされて、積立てで買い増しをしていくものでした。また、ずいぶんと前なので忘れましたが、毎月の積立金に対して、何%かの会社からの奨励金が出ていました。

積立てた株数が単位株数まで達すると、証券口座に移行して市場でも売却できるし、積立てを行っている口座でも翌月の何日かの株価で売却できるものでした。

積立てを始めて、10年と経たないうちに単位株に達していた私は、まったく売るつもりもなかったのですが、2000年頃の「ITバブル」を初めて経験することになりました。持ち株の株価は日に日に値上がりし、含み益となった持ち株を売る決心をして、証券会社に口座を作り、見事、利益確定をすることができました。

しかし、もちろん、みなさまご存じの通り、ITバブルは弾け、親会社の株価はもともと私が購入していた平均単価以下にまで下がり、ボロボロに売り込まれました。証券会社に口座を作ったタイミングで持ち株会を止めていた私が2度と再開することはありませんでした。

しかし、また、ITバブル崩壊から数年後、また、会社であることが起きました。子会社である自社が、東証一部に上場することになったのです。長年勤めていると、いろいろなことが起きるものです。役職別に、担当なら株数はここまで、主任はこの株数まで、課長はここまで、・・・と役職が上の人ほど多く購入できるもので、○月○日時点で社員であれば自社株の購入する権利が与えられ、私は限度額いっぱいまで購入しました。さすがにこの頃までには投資の「と」の字ぐらいは理解していたし、IPO(Initial Public Offeringの略で「新規公開株」や「新規上場株式」のこと)なので、従業員なら少なくともボーナス程度の利益は得られるのではないかと考えていたからです。こちらでも、見事、従業員が株式を売却できる(ロックアップ解除)日まで待って、その日になったら、即、売却を致しました。その後、親会社が自社を100%子会社化することになり、上場廃止となりました。そのときの公開買付価格はひどく低いものでした。

このように、うまくバブルに乗り売り抜けるとか、自社が上場して多少なりとも利益の一部をいただけるというのは、自分でも言うのもなんですが、稀なケースでしょう。

既に上場されている会社に勤めておられる方は、IPOはないでしょうし、自社の持ち株会の株価がバブルに乗って上昇するなんて、自分ではコントロールできることではないので、難しいとと思います。

また、一般的に持ち株会のデメリットとして言われていることに、「会社が倒産したら、持株会で積み立てた株も紙くずとなり、2重でダメージを食らうことになるので、やめたほうがよい」というのがありますが、「ごもっとも」だと思います。

従業員持ち株会は、過去の私の上司が言ったように「自分の仕事のがんばりのため」にやったほうがよいのか、「倒産時のリスクを考えてやめといたほうがよい」のか、こればかりは私も答えを持ち合わせていません。

投資番組の決まり文句ですが、「投資はあくまで自己責任」「投資の最終決定は皆さまご自身で決定くださいますよう、よろしくお願い致します」といったところでしょうか。

ただ、今の個人投資家としての自分を作るきっかけとなったことは間違いありません。

紹介 private_investor_kajiyan

日本に本格的な長期的な視点での資産運用の文化を定着させたいため、このブログを開設

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