私は2019年2月から早期退職を実現しました。このとき、会社の「セカンドキャリア制度」を利用しました。私の会社の場合、管理職(課長以上)は年齢が50歳以上で利用できる制度で、退職金に基本給の最高12ヶ月分が上乗せされて支給されます。
前回まででご紹介したサラリーマン在職中に利用できる「家賃補助制度」「住宅財形制度」の利用でタネ銭を作る方法に加え、いざ退職する際に利用できる退職金に上乗せがある「セカンドキャリア制度」が会社にありましたら、ぜひ、ご活用をご検討されてはいかがでしょうか。
最近のニュースでは、会社の間接部門に対して早期退職を募集することがあるようです。セカンドキャリア制度よりも基本給の「上乗せ月数」が多い場合は、こちらを利用したほうがよいこともありますので、比較検討のうえ、選択することもありではないでしょうか。
さて、早期退職の決断に当たり、どういう状況下になれば早期退職は可能なのか、という判断ポイントがあります。
よくネットでも、「副業の収入が本業を超えたら」とか言われていますが、本当にそうでしょうか。例えば、アフィリエイト収入で月収50万円を超えるには、日々相当頻繁にブログ更新が必要でしょう。YouTuberもしかり、視聴するに値する動画を頻繁にアップロードする必要があります。商品紹介動画や外食レポートなど、ある一定の視聴者を獲得し、企業側から商品紹介をしてい欲しいなどのオファーをいただくほどの成功を収めるには、やはりかなりの労働を伴うことと想像します。
また、このブログで書いている資産運用としての長期投資ではどうでしょうか。年単位ではなく、月単位で50万円(年換算600万円)の配当や分配金をもらうことは、配当利回り4.5%と仮定して逆算すると、資産が1億3千4百万円ないといけませんが、4.5%の配当や分配金をもらうには、株式やREITなどに全額投資していなければならず、債券やその他の分散投資を行うと、利回りが下がってしまうため、より多くの資産が必要となり、あまり現実的ではありません。
基本的に、われわれのような普通のサラリーマンが、副業の収入が本業を上回るという状況は、不可能ではありませんが、そう簡単に実現できるものではないと思われます。
では、私のような普通のサラリーマンが早期退職するには、どういう状況になったからできたのでしょうか。それは別に難しい話しではなく、普通の定年退職者が行うのと同じで、積み上げた資産を取り崩していくことです。
このブログを書いている時点の一般社会通念として、
「60歳で定年退職し、年金の繰り上げ受給をしない場合は、65歳までの5年間は貯蓄を取り崩して生活し、65歳から年金受給の開始を行う。ただし、やはり年金支給額だけでは夫婦二人で生活するのに必要な29万円前後の支給は見込めないため、引き続き、不足額を貯蓄から取り崩して生活していく」
というものだと思います。私の場合、これが貯蓄の取り崩し期間が5年ではなく15年、と他の人より10年間長いだけです。
なので、早期退職ができるかの判断ポイントは、私のケースでは15年間貯蓄を取り崩して生活しても、65歳の年金受給開始時に3,000万円程度の資産がまだ残っているかが判断ポイントとなりました。
このシミュレーションを
「Microsoft Moneyのライフプランナー」
「証券会社で無料で使えるライフプランシミュレーション」
「Money Forward MEの未来シミュレーター よそQ」
「自分で今後の収入と支出を試算したExcel」
といろいろ試した結果、65歳の年金受給開始時に3,000万円程度の貯蓄がまだ残っている結果となりましたので、決断致しました。
私は「億り人」でも「副業収入が本業を超えた」わけでもありません。ただ、このような私の状況下で早期引退が可能なのは、やはり日本という国が低インフレの物価や通貨価値が安定した国だからという点があります。未来のことは誰にもわかりませんが、15年後の日本でも、今の3,000万円の価値は、そう変わらない価値を持っていると仮定できるからです。
先日、YouYube動画を見ていたら、ロシア人の方がアップロードした動画で、「ロシア人は貯金しません」と断言されていまいた。なぜかというと、ロシアのルーブルはソ連の崩壊のときなど、何度も、通貨大暴落、ハイパーインフレ、デノミを繰り返した過去があり、1998年1月には通貨価値が収束したとして、1000分の1のデノミ(0を3つ取るデノミ)が行われており、例えば1億3千4百万円分のルーブルを持っていたとしても、13万4千円のルーブルになってしまうという事態が実際に起きため、貯金なんかできないというものでした。
この先、日本でもハイパーインフレが発生し、デノミが行われることは「絶対ない」とは言い切れませんが、可能性は低いと思われます。そういう日本であるからこそ、早期引退も可能なのです。そう思うと、日本という国とそれを構成している全ての人に感謝です。
え、ただ感謝して祈るだけですか? いえいえ、インフレに耐性がある金融商品は株式、または有事の金(Gold)と言われていますので、資産を株式や、10%程度を貴金属で保持しています。また、株式は日本株だけでなく、経済大国1位のアメリカ、第2位の中国、加えてインド株投信にも分散投資しています。
さすがに、経済大国のトップ3とインドが揃って、ハイパーインフレ、デノミという事態に陥る可能性は第3次世界大戦ぐらい(?)でしょうか。
私の例はあくまで一例ですが、参考になれば幸いです。