会社員であれば、会社に「確定拠出年金(企業型)」といういわゆる「企業型DC」が導入されているのではないでしょうか。 もし、導入されているのであれば、ぜひ、活用ください。
私の会社では、企業型DCに入るか、毎月の給料の形で掛け金分を受け取るか、導入された際に選択ができたのですが、私は迷わず、企業型DCに加入したのですが、私の後輩である若手は、毎月の給料で支払われることを選択していました、理由を聞くと、
「いつまでこの会社にいるかわからないし、いつまで生きているかわからないし、今、お金としてもらいたいんです。」
ということでした。いい子だっただけに、私は今でも彼の晩年が気がかりでしょうがありません。
企業型DCのポイントは、企業が決まったルールに基づき、お金を拠出する分に加えて、さらに自分でも追加拠出することができる「マッチング拠出」を利用するという点です。これを利用するメリットは、この追加掛金部分も税制優遇を受けることができることです。毎月積立てた掛金について、企業側の拠出分に加えて全額が所得控除の対象となるため、所得税と住民税が軽減されます。
ただし、マッチング拠出の上限は、その会社ごとに異なるので、ご注意ください。会社の拠出金以上にマッチング拠出することができないのと、企業年金を併用している場合は、会社分と個人分を合わせて、総拠出上限月額は27,500円になります。私の会社の場合、企業側の拠出額が12,000円だったため、マッチング拠出の上限も12,000円でした。なので、マッチング拠出をやらないよりは年12,000円×12か月=144,000円を所得控除できていました。所得が144,000円多かったとしたら、私の年収における税額が20%でしたから、28,800円を本来なら納税すべきところをマッチング拠出をしたおけげで払わなくて済んだということになります。
裏返すと、拠出した金額に対し20%の運用益を得たのと同様です。こんな運用益を出してくれる商品はもちろん、なかなかあり得ません。また、企業型DCの運用で生じた売却益、利息、配当、収益分配金など、すべて非課税です。
もし、それでも資産運用に株式などの元本割れする商品を選ぶことを怖れるのであれば、元本確保型の商品も会社側は用意してくれていると思いますので、それを選びましょう。それであれば、確実に20%運用益が得れらるのと同等です。何度も言いますが、なかなか金融の世界で「確実に儲かる」話しはないのですが、これは数少ないそれです。
マッチング拠出をしていないどころか、企業型DCをまったく利用していない私の後輩は、私よりも年間288,000円の所得控除ができず、57,600円も多く税金を納めなければならないということです。
もちろん、デメリットもあります。ただ、年金である以上、私はそれをデメリットとも思いませんが、60歳になるまで引き出すことができないことです。
いや、私から言わせれば、逆に確実に60歳になるまで長期間に渡り資産運用しなければならない点は、むしろ望ましいことでもあると思います。資産運用には、時間がかかるものなのですから。
あと、注意点として、会社がマッチング拠出制度を導入している場合、iDeCoには加入できないのと、これを読んですぐにマッチング拠出を始めたくても、会社の申込み受付は年1回ですのであしからず。
会社がマッチング拠出制度を導入していなければ、iDeCoを活用しましょう。
さあ、ここまで読まれて、もし毎月の資金に余裕があるなら、マッチング拠出を行わない理由がありますでしょうか。